鮭は健康な髪にする?アスタキサンチンとは?DHAやEPAなど栄養素が高い!

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和食の定番ともいえる鮭。鮭の栄養が健康な髪を育ててくれて、そして、体に良いと注目されています。鮭にはビタミン類やアスタキサンチン、DHAやEPAなどの栄養素が豊富に含まれています。

栄養価も高く、近年青魚のサラサラ成分として注目されている「DHA」や「EPA」がたっぷり。

それに加えて、ビタミンB1、B2、D、E、B6などを豊富に含むことでも知られています。注目したいのは、 アスタキサンチン です。順番にご説明します。

鮭から摂取できる栄養成分

鮭から摂取できる代表的なビタミン類は、ビタミンB群やビタミンA、C、D、Eなどです。
ビタミンには水溶性と脂溶性の2種類が存在し、ビタミンB群 (ビタミンB1や B2、B6、B12など )とビタミンCは水溶性ビタミンにあたります。ビタミンDとビタミンEは脂溶性ビタミンに分類されます。

ビタミンB1 糖質を分解するために必要な栄養素です。

ビタミンB2 脂質の代謝を助け、皮膚や粘膜の健康を維持します。

ビタミンB6 体内でアミノ酸を合成する際に使われる成分です。
皮膚や髪の毛の成長を促進したり、免疫機能を正常に保ったりするために欠かせません。

ビタミンB12 糖質や脂質、たんぱく質を代謝し、エネルギーに変換するという重要な役目を果たしています。
赤血球を作り貧血の予防に効果的です。また、傷ついた神経細胞を修復する効果があり、手足のしびれなどにも効果が期待できます。牛、豚、鶏などのレバーや魚介類に多く含まれています。

ビタミンC コラーゲンの生成と密接に関わる栄養素で、皮膚や粘膜の健康を維持してくれます。水溶性ビタミンの一種です。活性酸素から細胞を守る働きもあるのです。

ビタミンD カルシウムの吸着を高める骨の健康に欠かせない栄養素です。魚介類やきのこ類に多く含まれています。ビタミンDは食品から摂取する他に、日光に当たることで紫外線により皮下で合成されます。また、免疫力をアップする効果も期待できます。

ビタミンE 細胞や血液に含まれる脂質の酸化を防ぎます冷え性改善にも効果的です。
強い抗酸化作用を持ち、体をストレスから守り、老化を抑える効果があります。不飽和脂肪酸の酸化を防ぎシミやシワの増加を防ぐ、毛細血管を広げて血行を改善する、悪玉コレステロールの酸化を防止して動脈硬化を予防するなどの効果が期待できます。

アスタキサンチンとは

アスタキサンチンとは鮭の身に含まれる赤い色素で、エビやカニ、鯛などにも含まれます。
赤色の食べ物といえば何を思い浮かべますか? まずは、トマトやニンジンといった、とても身近な食材をまず思い浮かべると思います。これらは私たちの健康によいとされている緑黄色野菜。その代表格であるトマトの赤い成分リコペンや、ニンジンの橙色成分β-カロテンは、「カロテノイド」と呼ばれる天然色素で、アスタキサンチンも、これらと同じカロテノイドの仲間です。

アンチエイジングに効果的!アスタキサンチンの抗酸化力

とても強い抗酸化作用があり、紫外線による肌のシミやシワを防ぐ効果が期待できます。また、脳や目の健康維持、老化防止にも効果が期待できると言われています。アスタキサンチンの抗酸化作用は、ビタミンCの6000倍、ビタミンEの1000倍に達するといわれています。

人の体内には活性酸素と呼ばれる老化や病気の元凶となっている物質が存在します。この活性酸素が細胞を酸化させることで、生活習慣病や老化などあらゆる病気の発症に関係しています。


アスタキサンチンの抗酸化力は、老化防止疲労回復に効果的です。「抗酸化」とは「酸化に抗う」こと。酸化とは、りんごのかけらが変色したり、金属がさびたり、油が劣化して黒くなったり……といった、日常生活で何気なく見ているこれらの現象のことです。物質が空気中の酸素と結びついて起こる反応で、物質の見た目だけでなく、性質にも大きな変化を起こします。

それは呼吸で酸素をとり入れている私たちのカラダも同じです。呼吸や食事によってカラダにとり入れられた酸素と栄養素は、細胞内でエネルギーに変換され、様々な生命活動に使われます。ところがその過程で、一部の酸素は物質を酸化するチカラが非常に強い「活性酸素」に変化してしまいます。

活性酸素」はその強い酸化力を使って、体内に侵入してきた病原菌を退治する役割を持っているので、人間が生きていく上で必要なものです。しかし、過剰に発生すると、人間の正常な細胞まで傷つけてしまい、様々な病気の原因になると言われています。

本来わたしたちの体内には活性酸素を無毒化するチカラが備わっているので、通常ではカラダに影響はありません。ただし紫外線や暴飲暴食、喫煙、精神的なストレスなどで「活性酸素」が非常に多く発生する環境では、体内に備わった「抗酸化力」だけでは足りなくなってしまいます。また、加齢によっても「抗酸化力」は衰えていきますので、わたしたちは抗酸化作用の強い成分を、積極的に摂り入れていく必要があるのです。

アスタキサンチンの抗酸化作用により期待されること

① 抗酸化作用 細胞膜全体を酸化から守ることができ、老化や生活習慣病予防に役立ちます。

② 抗炎症作用  日焼けによる炎症を抑え、シミの元になるメラニン色素の生成が抑えられ、美白効果が得られます。

鮭の栄養 アスタキサンチン に期待できる効果効能

老化の防止

鮭に含まれる栄養素は、老化の防止にも効果的です。
アスタキサンチンにはメラニン色素を除去し、シミやそばかすの発生を予防する作用があるといわれています。
さらに、鮭には肌の新陳代謝を促すビタミンB6も含まれるため、たとえメラニン色素が発生しても、シミやそばかすとして定着する前に体外へ排出されてしまうのです。

免疫力の向上

鮭を食べることで期待できる健康効果の一つに、免疫力の向上が挙げられます。
鮭にはアスタキサンチンやビタミンC、ビタミンEなど抗酸化作用に優れた栄養素が複数含まれており、活性酸素を除去する働きが期待できるのです。
活性酸素とは、呼吸を行うことにより体内で生成される物質です。
高い殺菌力を持ち、体内に侵入した細菌やウイルスを排除する役目を果たしています。
しかし、ストレスなどの影響により活性酸素が過剰に生成されると、正常な細胞まで攻撃してしまうのです。

記憶力の向上

2014年に米国神経学会が発表した研究結果によると、ビタミンDが不足すると認知症の発症リスクが53%増大することがわかりました。
また、アスタキサンチンも記憶力向上に効果的な栄養素です。
2019年に筑波大学が発表した研究結果によると、アスタキサンチンには海馬を活性化し、学習記憶能力を向上させる効果があると報告されています。
この栄養素の摂取とともに、軽度の運動を取り入れると、さらに効果が期待できます。

DHAやEPAとは ?

鮭に含まれる特徴的な栄養素として、DHAやEPAが挙げられます。
DHAとEPAは、必須脂肪酸という栄養素の一種です。

脂肪酸は大きく分けると、非必須脂肪酸と必須脂肪酸のいずれかに分類されます。
非必須脂肪酸は体内で合成できますが、必須脂肪酸は食べ物から摂取しなければいけません。
DHAとEPAは魚類に多く含まれていることで知られています。

中性脂肪や悪玉コレステロールを減らす効果が期待できることから、糖尿病や心臓病などの予防にも効果的です。

魚に含まれるDHAやEPAは、海中での食物連鎖によって作られます。DHA・EPAを含む動物性プランクトンを小魚が食べ、さらに大きな魚へと食物連鎖が進む中で、DHAやEPAが魚の体内に蓄積されると考えられています。

効率の良い DHAやEPA 摂取方法

普段の食生活でDHAやEPAをしっかりと摂るには、刺身など生のままで食べるのがよいでしょう。また、マグロやカツオ、ブリといった青魚の場合は、脂がのった旬の時期に獲れたものを食べる方が、より多くのDHAを摂れるとされています。魚料理で蒸したり、煮込んだりした場合は、汁の中に魚から流れ出た脂が含まれています。そのため、煮汁なども一緒に食べると、DHAやEPAを上手に摂ることができるでしょう。

特にオメガ3・n-3系脂肪酸の一種であるDHAやEPAは、ほとんど体内で生成することができない必須脂肪酸のため、日常的に食べる鮭は貴重な摂取源といえます。

鮭の卵であるイクラやすじこには、DHA・EPAがたっぷり含まれている?

イクラやすじこにたっぷり含まれているn-3系脂肪酸のうち、約8割がDHA・EPAで構成されています。

たったスプーン1杯分(約20g)のイクラを食べるだけで、焼鮭1枚分に相当するDHA・EPAを摂取することができる優れた食材といえます。

ただし、イクラは塩水や醤油だれに漬けて作られているため、食べ過ぎによる塩分過多には注意が必要です。

DHA・EPA により期待されること

DHAやEPAには、脳細胞を活性化し、記憶力を向上させる効果が期待されます。
DHAは脳や網膜に多く含まれており、積極的に摂取することで脳内の神経細胞を活性化し、情報伝達をスムーズにしてくれる栄養素です。


EPAは脳を含めた血流を改善し、脳機能の活性化を促進します。
さらに、ビタミンDは脳内の神経細胞を保護したり、コントロールしたりするために欠かせない栄養素です。
そのため、ビタミンDを多く摂取することで、アルツハイマーや認知症予防につながるとされています。

EPAにより、血栓の予防や高血圧の予防に効果があります。マイワシやサバ、ブリ、アジなどに多く含まれています。

鮭の食べ方

焼鮭

焼鮭には、n-3系脂肪酸が100gあたり約1010mg含まれていますので、その焼鮭を毎日2切れ程食べれば1日の目安量を食事から摂ることができます。焼鮭を1切れ(80g前後)食べた場合には、DHAを約400mg、EPAを約200mg程度摂取することができます。

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)1日のn-3系脂肪酸(DHA・EPA・α-リノレン酸)目安量は2200mg(※男性50歳~64歳の場合)


ただ、調理には工夫が必要です。実は、調理することで青魚のサラサラ成分が魚から流れ出てしまうのです。

実際にどれくらい減ってしまうのでしょうか?

お刺身など生の魚で摂れるDHA量を100%とした場合、焼き物・煮物で約20%減少。揚げ物では、なんと約50%も減少してしまいます。※ 調理の際には、脂が飛ばないようアルミホイルで包む。また油で揚げる際には加熱しすぎないようにしましょう。

鮭に含まれるアスタキサンチンや、ビタミンDやビタミンEなどの脂溶性のビタミンは、油と一緒に食べると効率よく吸収できるといわれています。
バターやオリーブオイルを使ったソテーや、ムニエルなどにして食べると良いでしょう。
さらに、アスタキサンチンはレモンと一緒に摂取することで、抗酸化作用が増すとされています。

まとめ

日頃何となく食べている鮭ですが、とても栄養価が高いことがわかって頂けたと思います。 アスタキサンチンが含まれていることで、髪にもよい効果が与えられます。調理の方法で、取れる栄養量が変わります。様々な調理方法でメニューに取り入れたいですね。栄養がもれなく取れる低温調理も適しています。アンチエイジングを意識して食事をされているのであれば、ぜひ鮭を普段の食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。

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