アンチエイジング、顔のたるみからくるほうれい線対策

スキンケア

ほうれい線は、アンチエイジング対策でも特に重要ですが、なかなかほうれい線対策が見つからないとお悩みの方も多いと思います。年齢を重ねると重量の力で筋肉や脂肪などの移動により顔がたるみます。その結果、ほうれい線が深くなりますが、年齢やお肌の状況によって対策をすることが必要です。この記事では、ほうれい線を目立ちにくくする対策をご紹介します。

アンチエイジングについてについて

アンチエイジングは、以下の3つが影響していることを理解することが重要です。

・年齢によるホルモンバランスの変化

・紫外線

・生活習慣

アンチエイジングにはホルモンバランスの崩れや生活習慣によってかわります。

この記事では、紫外線と生活習慣におけるアンチエイジングについてお話します。

紫外線による肌の老化について

光老化が大きく影響しています。肌の老化の約80%は光老化ですので、普段から日焼け防止対策をきちんと行うことが重要となります。老化は、下記の情報に書かれているように、酸化的プロセスが生じることが原因です。

酸化作用とは、呼吸により酸素を取り込んで、食事から栄養素をエネルギーに変換するという生活の中で発生する活性酸素と呼ばれる酸素が、体をサビつかせる、いわゆる酸化させることを言います。その為、抗酸化対策が必要となります。

活性酸素は、過剰に発生すると細胞組織に悪影響を与えます。紫外線を浴びることで、活性酸素が増加し、肌の弾力やハリを保っているコラーゲンやエラスチンを破壊・変性してしまいます。これが肌のシワ、そして、たるみの原因となります。たるみが起こることで、ほうれい線が深くなっていきます。

皮膚の老化には、年齢による生理学的な老化以外にも光老化が知られている。すなわち、細胞周期や新陳代謝が低下し,内分泌・免疫機能も衰えてくることにより生じる生理学的な老化に対して、 光老化は直射日光に多くの時間、曝露されることにより皮膚組織中に酸化的プロセスが生 じることが原因となる。光老化の反応は、紫外線に対する曝露の程度やスキンタイプにも左右されるが、実に多くの美容的な問題に関わっており、シミ、シワ、および皮膚癌の発生にも大きく関与している。

皮膚老化の予防法と対応について 須 賀 康順  天 堂 医 学.2006,52 P.429~436

酸化に対する対策

体内でつくられる抗酸化酵素が、活性酸素に働きかけ、水に分解して排出させます。しかしながら、年齢とともに抗酸化酵素をつくる力は衰え、抗酸化酵素の力も低下します。

ストレスや不規則な生活などの生活環境は、活性酸素が発生しやすくなっています。まずは、生活習慣を見直すことが大切になります。

見直したい生活習慣

・ストレスをためないように、常に発散する。

・睡眠をしっかりととる。

・ウォーキングなどの運動習慣をつける。

・食生活を意識する。

 抗酸化ビタミンと呼ばれるビタミンA、ビタミンC、ビタミンEを取るよう心掛けることも大切です。その他、ポリフェノールを含むカカオや赤ワイン、カテキンを含む緑茶や紅茶など抗酸化作用のある食品を取り入れることも一つの手段です。

自然老化に対する対策

光老化以外の老化は、自然老化になります。自然老化は、遺伝も影響をしますので対策が難しいところではありますが、下記論文にもに書かれているように、栄養バランスを考えた食事や、運動を行うことは老化を遅らせる対策のひとつとなります。年月が経って変化が見られる地道な対策ですが、普段から心がけたいものです。

生理学的な老化

1)表皮は薄くなり、(2)角層の天然保湿因子の発現も低下、皮脂腺や汗腺の分泌低下と重なり皮膚は乾燥肌とな る。また、(3)色素細胞もメラニン顆粒を作らなくなり、肌の色調が薄くなる。(4)真皮、皮下脂肪層などの支持組織も弱くなり、蒼白でシマリがない皮膚となりタルミも生じる。これらは、たとえ紫外線に全く当たらなくても、現れる生理学的な変化である。生理学的な老化を防止する為の注意点としては、喫煙を控えて、栄養バランスよく低脂肪の食物、果物、野菜を豊富に採り、運動も適度に行い、 糖尿病や動脈硬化などの成人病に注意することが大切である。

皮膚老化の予防法と対応について 須 賀 康 順 天 堂 医 学.2006,52 P.429~436

紫外線による老化、”光老化”の影響

シワやたるみなどお肌の悩みは、真皮のコラーゲンやエラスチンの減少や変化に関係します。

コラーゲンは、タンパク質で肌のハリを形成します。紫外線により、真皮のコラーゲン線維の崩壊が進み、ハリがなくなることでシワが形成されます。コラーゲン線維の減少でエラスチン繊維(弾力繊維)にも変化が起こり、弾力性がなくなります。コラーゲンは引っ張りに強い繊維で、エラスチンは伸縮性があります。エラスチンがコラーゲンを束ねています。コラーゲンは体内でつくりだすことができますが、エラスチンは再生しにくいと言われています。

下記に書かれておりますように、老化は、真皮のコラーゲンやエラスティンの変化に影響されます。エイジングケアには表皮だけでなく、真皮に対する対策が必要になります。


光老化

(1)表皮基底層ではメラニンの不規則な分布と増加がみられるようになり、シミが形成される。

(2)コラゲナーゼ(*1)の発現亢進により真皮コラーゲンの網目構造の崩壊が亢進し、シワが形成される。

(3)真皮コラーゲンの減少と共に弾力線維(*2)にも変性が起こり、黄ばみ(solar elastosis)も生じる。

皮膚老化の予防法と対応について 須賀康 順 天 堂 医 学.2006,52 P.429~436

*1コラゲナーゼとは、タンパク質の一種であるコラーゲンを分解する酵素

*2エラスチン


紫外線UVAと紫外線UVB

紫外線には、UVAとUVBなどがあり、UVAとUVBはそれぞれ肌に起こす影響が違います。

UVAは、真皮の深いところまで到達します。日焼けをしているように感じないため、気がつかないうちに紫外線の影響を受けているのがUVAなります。シミだけでなく、シワやタルミを引き起こします。

UVBは、いわゆる日焼けを起こす紫外線です。見た目にもすぐ日焼けした(肌が赤くなったり、肌が日焼けで黒くなったりする。)のがわかることが特徴です。日焼けした肌色の状態は、スキンタイプによっても異なります。そして、スキンタイプによって、同じように日焼けをしても肌への影響は変わります。

光老化と紫外線

光老化 には、紫外線という明らかな外部要因があるが、この紫外線は大きく分 けて皮膚 に2種類の ダメージを与える。その1つは、肌が黒くなる反応 『サンタン』であり、これは紫外線中のUVAとい う成分が色素細胞刺激してメラニン顆粒産生を増加させた結果、生じる反応である。UVAはエネルギー量が弱く、皮膚にはほとんどダメージを与えないと言われてきたが、近年では皮膚の深くまで到達し、シミ以外にも、シワやタルミを引き起こす 〈肌の大敵 〉であることが解ってきた。

もう1つ は真っ赤になって水ぶくれを起こす反応『サンバーン』であり、こちらはUVBと いうエ ネルギー量の強い紫外線によるものである。2種類の紫外線に対する皮膚の感受性には個人差が認められ、同じように日焼けをしても皆に同じ結果が起 きるとは限らない(スキンタイプ と呼ばれている)。

日本人の場合は3つに分類 されており、スキンタイプJ-Ⅰは 日焼けに より赤くな り易 いが、ほとんど黒くならない、UVBに弱い肌の タイプであり、強 い日焼けをするとすぐ水疱が出来てしま う人はこの タイプであ る。J-Ⅲは、少々日に当た ってもあまり赤くならずに黒くな る。むしろUVAに感受性の高いタイ プであり、皮膚に色素沈着が生じやすいタイプである。

日焼けですぐに赤くなるJ-Iタイプ は、他のタイプに比べ ると同量の紫外線を浴 びても、皮膚に生じるダメージの量が数倍高い。つまり皮膚癌になる可能性が高いと言われている。スキンタイプは遺伝するので、両親 がJ-Iタ イプの場合は、できる限り早くから不必要な紫外線を浴びない工夫をすることが肝心である。また、J-Ⅲの人は「ダメージを受けにくいから大丈夫 」というのではなく、紫外線は皮膚の老化をそれなりに早 め、また防御反応の結果としてのシミやシワの発生を促すため注意が必要である。

皮膚老化の予防法と対応について 須賀康 順 天 堂 医 学.2006,52 P.429~436

日焼け止めについて

日焼け止めに使われている成分には、紫外線吸収剤紫外線拡散剤があります。日焼け止め塗り直すのが基本です。しかしながら、顔の場合、化粧をしている状態から日焼け止めを塗り直したり、日焼け止めをつけるのはファンデーションがよれてしまい、難しいですよね。スプレータイプをつけることもできますが、製品によっては、安全性の観点から手に日焼け止めをとってから塗布してくださいと説明があります。そうなると、スプレータイプも顔には使いずらいですね。顔の場合は、化粧の前に日焼け止め化粧下地をたっぷりと丁寧に塗布し、ファンデーションなどもきちんと使い、紫外線をできる限り浴びないようにするのが実用的だと思います。

日焼け止めの選び方

紫外線散乱剤と紫外線吸収剤の違いを知り、目的にあったものを選択することをお勧めします。

紫外線吸収剤は、紫外線を科学的な仕組みで熱などに変換し、紫外線の浸透を妨げます。一方、紫外線散乱剤は、物理的な仕組みで紫外線を散乱、反射して肌を紫外線から守ります

製品によって、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の配合が違います。どちらも配合されていることが多いですが、どちらかだけ使用されている製品もあります。紫外線散乱剤は、物理的に紫外線を反射させて肌を守る為、比較的敏感肌の方向け製品で使われているようです。紫外線散乱剤の特徴で、白浮きしてしまう場合があります。

紫外線吸収剤として使われている成分

メトキシケイヒ酸オクチル

ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸オクチル

ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル

t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン

パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル など

花王ウェブサイトより

紫外線対策

1.日焼け止めをしっかりと使う。

日焼け止め化粧下地をたっぷりと使い、その上からファンデーションやパウダーで整える方法が実用的かもしれません。レジャーでがんがん日を浴びる状況ではなく、オフィスや在宅ワーク、日常生活では、日焼け止め化粧下地をたっぷりと使う方法が簡単だと思います。在宅ワークであまり化粧をしない場合でも、日焼け止めだけはしっかりと使うことをお勧めします。色のつかない製品もありますので、状況によって使い分けるとよいかもしれません。外出などで汗をかいた時には、汗を拭きとり、メイク直しをこまめにすることをお勧めします。首のシワは、案外気が付きにくいため、日焼け止めをつけるのを忘れやすいですが、首やデコルテなども日焼け止めをつけることをお勧めします。


2.日傘や帽子、長袖のグローブなどを活用する。

衣服や帽子、手袋、日傘などでカバーをして、直接日光に当たらないようにする。暑いのに長袖や手袋をつけるのは面倒だし、日傘を持ち歩くのも煩わしいと思うかもしれません。しかし、直接日光に当たらないようにするのが一番手っ取り早いくアンチエイジングとなります。目で見てわかるシワやタルミになってからでは遅いですし、もうすでにシワやタルミで悩まれている方もこれ以上悪化させない対策をとることで、必要以上のコストをかけずに済むかもしれません。特に、首は気が付かないうちにシワになっていることが多いので、通気性のよいストールを首にまくだけでも紫外線から守ることができます。

紫外線防御については、(1)太陽紫外線強度の強い時刻 の外出を避ける。(2)日傘やつばの大きな帽子の使用。(3)頬被りや長袖服の着用などの日焼け防止法(サンケア)が効果的である。光老化の予防:日焼け止めの選び方、塗り方日焼けをさせない最も手軽な方法は日焼け止め(遮光剤)の使用である。しかし、折角の遮光剤も塗り方ひとつで効果は半減してしまう。遮光剤はたっぷりと十分量使用し、指先で細かく円を描くように、ムラなく皮膚に擦り塗り込んでゆく。

耳や首の後、手足の甲などは〈日焼けしやすく、塗り忘れもしやすい 〉部位であるので留意す る。また、子供は汗をかきやすく、遮光剤の効果は数時間程しかもたないと言われてい る。汗や脂を落とした後 に、こまめに追加塗りをしてあげる必要がある。


3.ファンデーションやビタミンC誘導体などを活用する

ファンデーションを使うことで日焼け止めの効果が得られる製品もありますので、日焼け止めとファンデーションを両方使うことで紫外線対策しましょう。

ビタミンC誘導体も同時にしようすると、メラニンを抑制する効果が期待されます。ビタミンCでもレモンなどに含まれるソラレンは、紫外線を吸収しやすくしてしまいます。ビタミンC誘導体は、朝のお手入れに使うことでメラニン抑制効果が見られます。


まとめ

エイジングケアでほうれい線の対策として考えられるのは、まず予防も兼ねた、日焼け防止対策です。紫外線の影響、光老化をできる限り受けないことが先決です。それから、できてしまったほうれい線には、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸を減らさないように、紫外線を浴びない工夫をすることが簡単で有効的な手段となります。そして、減ってしまったコラーゲン、エラスチンそして、ヒアルロン酸を補強できるような対策が必要です。

紫外線を浴びることで活性酸素が発生し、体が酸化されますので、酸化対策が必要です。それから、ストレスからの影響で体が酸化するのを防ぐ対策も必要です。ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEを豊富に含む食品を摂取したり、その他、抗酸化作用のあるカカオや赤ワイン、ゴマなどを食品を食事に取り入れることも重要です。

帽子や日傘などの紫外線対策は、簡単でコストがかからない対策です。真皮のコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸をが大きく損傷しないようにすることも必要です。

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